痔は非常に辛く、肉体だけでなく精神にも支障をきたすため、早急な処置が求められます。
また痔は、再発することもある病気です。
再発防止のアドバイスや適切な処置を行ってくれる良い医者を探し、その方に処置してもらったほうが安心と言えます。
肛門にまつわる診療を受ける際、多くの方は診療科目に肛門科が含まれているかどうかで医者を探すでしょう。
しかし質の良い肛門医と出会うにはそれでは不十分です。
病院と診療所を合わせて、現在4,000人以上の医者が全国で肛門診療を行っています。
肛門診療を主要科目としている方はそのうち400人少々、全体の1割ほどしかいません。
そのほかの医者は消化器や泌尿器の診療を行いつつ、補助的に肛門を診ているだけです。
必ずしもそうとは言い切れませんが、ほかの科目とあわせて診療している方より、肛門診療をメインとして行っている医者にかかったほうが治療内容やその結果に満足できるでしょう。
日本大腸肛門病学会に属している医者を探しましょう
肛門診療をメインに行っている医者の探し方はさまざまありますが、その1つとして挙げられるのが日本大腸肛門病学会に属しているか否かです。
大腸肛門病学の進歩発展を目的として創立されたこの学会はすでに80年以上もの歴史を持っており、所属している肛門医の数も多いです。
しかし注意しなくてはならないのは、創立時の名称が「日本直腸肛門病学会」だったこともあり、全体的に見ると肛門科医の割合は決して高くないという点です。
学会に所属する専門医数は現在1,700人以上ですが、その内肛門科領域の方は350人程度、20%ほどでしかありません。
つまり所属している医者の多くが肛門ではなく大腸を専門にしています。
また専門医に限らず会員数全体で見ても、7,000人以上いる中で肛門科医は800人ほどです。
これらのことから、日本大腸肛門病学会に所属していたとしても肛門の専門医とは限らないことがわかるでしょう。
日本臨床肛門病学会の認定医師もオススメです
長らく、肛門領域における専門医は日本大腸肛門病学会の「大腸肛門病専門医」に限られていました。
しかしこの区分内では内科や外科などが混同しています。
肛門領域はそれ自体が独立した専門性を持っており、外科の一領域に留まるものではありません。
さらに2006年の医療法などの改定で、肛門科にまつわる広告が2008年より認められなくなるという追い打ちを受けました。
こういった状況に危機感を抱いた医師たちによって日本臨床肛門病学会が設立されました。
この学会は痔を専門とする医師のための学会であるため、日本臨床肛門病学会の所属医を選べば間違いがありません。
日本臨床肛門病学会は肛門病の治療へ熱心に取り組んでいる医師の審査・認定を2018年から行っています。
この制度は日本大腸肛門病学会の専門医制度を基本としており、そこからさらに日本臨床肛門病学会が審査するという2段階制です。
なお、選ばれた医者は会のサイトから検索が可能ですので、痔を治療する際はまずはここで調べると良いでしょう。