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切れ痔(裂肛)ってどんなもの?
裂肛とは
切れ痔とも呼ばれる、肛門が切れて生じる痔が裂肛です。
裂肛は男性よりも女性に起こりやすく、また20代から40代にかけてよく発生します。
軽度の裂肛なら薬の服用で済みますが、悪化し慢性化したものには手術が必要です。
切れ痔の原因
硬い便や勢いが強い便が出たときに肛門は傷付きやすいです。
そのため便秘になりやすい女性が患いやすいです。
実際、男性患者のうち裂肛は9%ほどですが、女性だとその1.5倍以上の15%にまで増加します。
切れ痔の症状
裂肛の主な症状は痛みです。
出血は少なく、お尻を拭いた際にトイレットペーパーへ付着する程度ですが、排便した際に強い痛みが生じます。
また慢性化した裂肛は潰瘍ができ、それによって肛門が細くなります。
細くなった肛門は切れやすく、それがさらに裂肛を悪化させる悪循環です。
裂肛が化膿して痔瘻を発生させることもあります。
切痔の分類
裂肛は急性期と慢性期の2つに分けられます。
急性期はできたばかりの裂肛で、薬電治療が可能です。
この裂肛が数ヶ月以上続くと慢性期となります。
慢性期の裂肛は潰瘍ができており、また肛門ポリープや見張りいぼといった出来物が発生しているケースも少なくありません。
場合にもよりますが、この域にまで達した裂肛は手術が必要です。
切れ痔(裂肛)の治療について
切れ痔とも呼ばれる裂肛は名前が表すとおり、肛門が切れている状態の痔です。
便秘や下痢などが原因で患うため、大抵の場合は食生活や排便習慣などを見直して体調を改善し、補助的に薬品の使用は補助的なものに留める保存療法が行われます。
軽い裂肛ならとくに珍しいものではありません。
しかし裂肛が数ヶ月も続き、慢性的なものになると、傷が潰瘍状になったりポリープが発生したり、肛門が狭まってしまうこともあり、その状態まで至ってしまったら手術を行わなくてはいけません。
しかし手術が必要なほどに裂肛が発展することはあまり多くなく、患者全体で見ても1割程度です。
切れ痔の手術療法にはさまざまなものがある
裂肛が慢性化した肛門は皮膚が硬くなり、伸縮性が失われます。
そのようになった肛門は手術にて拡張を施さないといけません。
裂肛の手術法として、主に用手肛門拡張手術・側方皮下内括約筋切開術・内括約筋側方皮下切開術・皮膚弁移動術の4種類が挙げられます。
用手肛門拡張手術
用手肛門拡張手術では指を使って狭くなった肛門を広げます。
手術の際は麻酔を行うので痛みはありません。
切開しないので体への負担が少なく、日帰りでの手術も可能です。
側方皮下内括約筋切開術
肛門括約筋の緊張が裂肛の原因になっている場合は側方皮下内括約筋切開術が行われます。
粘膜の下へメスを入れるため、用手肛門拡張手術と比べると少々手間はかかりますが、それでも簡単な部類の手術になるので、要する時間も比較的短いです。
側方皮下内括約筋切開術では括約筋の一部を切開して肛門を広げ、またポリープやいぼなどがある場合は同時に切除します。
即効性が高いため切れ痔(裂肛)の手術で最も主流ですが、再発のリスクがあり、術後にガス漏れや便漏れを起こすおそれもあります。
内肛門括約筋半切開術
ガス漏れや便漏れのリスクを軽減させるために肛門括約筋半切開術が選ばれることもあります。
側方皮下内括約筋切開術との違いは切開する範囲で、内肛門括約筋半切開術では括約筋を縦半分しか切開しません。
皮膚弁移動術
重度の切れ痔では皮膚弁移動術が行われます。
この手術ではまずポリープや潰瘍などを切除し、その後に肛門自体を切開して狭まりを解消します。
切除した部位には肛門のほかの皮膚を移動させて縫い付けるので、この名称となりました。
皮膚弁移動術は切れ痔だけでなく、ほかの症状で肛門が狭くなった際にも有効です。