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診察当日に準備は必要なのでしょうか?
肛門科を受診する際、特別に準備しておくものはありません。
しかし排便だけは診察前に済ませておいてください。
直腸に便が詰まっていると十分な診察が行えず、場合によっては再度来院せざるを得なくなります。
女性の場合は便秘を患っていることも多いため、診察前に下剤を飲んだり浣腸を行ったりして排便しようとする方も少なくありません。
しかしながら肛門科への受診時にそれらを行うのは誤りです。
これらの薬剤は直腸の粘膜を強く刺激するため、炎症が起きているかどうかの判断が難しくなります。
受診前に排便するためには薬剤を使うのではなく、睡眠を十分に取ることが重要です。
また、早めに起きて朝食をしっかり摂ることも効果を発揮します。
問診で聞かれることは
患者の状態を知るために、診察ではまず問診が行われます。
医者から直接聞かれるパターンと問診票に記入するパターンがありますが、どちらも尋ねられる内容に違いはありません。
問診の内容をもとにして医者は診察を進めていくので、なるべく正確に回答しましょう。
問診で聞かれる内容としては、痛みがあるかどうか・肛門から出血があるか、またその量はどれくらいか・肛門から脱出しているものはあるか、またそれは自然に戻るのか指で押し込めば戻るのかなどが挙げられます。
ほかにも腫れやかゆみの程度や分泌物の有無、便通の回数や便の形状などが聞かれるため、心配な方は受診前に整理しておくと良いでしょう。
なお上記のもの以外にも、手術歴や家族の健康状態などがよく尋ねられます。
肛門の診察を受けるとき
受診時は普段他人へ晒さない肛門を医者へ見せなくてはならず、そのことを心配される方は少なくありません。
しかし多くの場合において診察室はカーテンで仕切られており、露出部分にもタオルをかけるといった配慮が行われるので、プライバシーに関して心配はありません。
診察時、患者は診察台で体位を取ります。
その際に服を全部脱ぐ必要はありません。
しかしぴっちりしたジーンズやタイトスカートなど、脱ぎにくい衣類はなるべく避けましょう。
ほとんどの場合において、下着を膝上まで下げた状態で横向きに寝るシムズ体位が取られます。
なおこの体位で見にくい場合は、仰向けになりつつ脚を折りたたみ、空中で体育座りをしているような格好になる砕石位が選ばれます。
坑道で鉱石を採掘するときの格好に似ていることが名前の由来です。
なお肛門の奥に異常がある場合は、膝胸位という四つん這いの体位を取ります。
いずれにせよ、肛門に力を入れずにリラックスすることが重要です。
診察では目で見たり指で触ったりするほかに肛門用の鏡を使うこともあります。
膝胸位の場合は直腸鏡という専用の機械を使うことも少なくありません。
指にはサックを付け、また麻酔作用のあるゼリーを潤滑油として使うので、痛みの心配はありません。
医者からの説明があります
診察後には痔の種類や進行程度、そしてこれからどのような治療を行っていくかについて医者が説明します。
病気や治療に関して不安なことがあればこのタイミングで尋ねましょう。
どの医者もきっと丁寧に答えてくれます。
痔の治療は医者と患者の二人三脚
日本人の3人に1人が患っているとされる痔は、国民病と呼んで差し支えない存在です。
慢性病であり、また再発することも多い痔は医者の力だけでは治りにくく、患者側も積極的に治療へ参加することが求められます。
生活習慣を見直しつつ、前向きな気持ちで痔の治療へ励めば、きっと清々しい明日を迎えられるでしょう。