痔とは肛門の周辺に表れた疾患の総称であるため、一口に「痔」と言えどその種類はさまざまです。
また痔の規模によって治療法や手術も異なるため、健康保険が適応されるかどうかも変わります。
健康保険が適用される治療の1つに、ジオン注射治療があります。
アルタ療法とも呼ばれるこの治療法はいぼを切るのではなく、硝酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸を合わせた治療薬を患部に注入します。
従来は大掛かりな手術が必要だった痔でも、このジオン注射治療なら麻酔時間を含め、30分程度の施術で済みます。
技術的難易度は高いものの、使う麻酔も局所麻酔か仙骨麻酔などの軽いもので間に合い、さらに痛みや出血も少ないです。
このジオン注射治療をはじめ、浅い痔瘻の手術や裂肛などに関しては、保険適用で自己負担額は3割です。
金額で言うと、4万円~5万円程度の負担で済みます。
自費診療のケースについて
一方、高度に腫脹したカントン痔核や内痔核、またはひどい裂肛の場合は、高度な手術が求められるため、自費治療が案内されるケースが多いです。
その場合、費用は30万円ほどかかってしまうものの、保険診療としての制約を受けることなく最先端の治療を受けられます。
3割の負担で済む代わりに厚生労働省の制約を受ける保険治療か、自分で費用を負担しなくてはならないものの最先端の技術が使える自費治療か、どちらを選べば良いかは多くの方が悩まれます。
その場合でも、病院のスタッフに相談すれば丁寧にアドバイスしてくれるでしょう。
レーザーを用いた痔核根治手術とジオン注射の併用療法もあります。
痔核根治術、結紮切除は患部にメスを入れて痔核を摘出する治療法のことです。
内痔核や外痔核といったどんなタイプの痔核にも行え、また進行度にもよらないことから、肛門への手術の中で最も多く行われています。
古典的かつ信頼度が高い痔核根治手術と、まだ世に出て日が浅いものの効果が十分に知られているジオン注射療法、この2つを的確に組み合わせつつ患者様の痔を手術していきます。
この場合でも症状や治療方法によって費用は変動しますので、まずは診察の際に相談すると良いでしょう。