日本人の3人に1人は痔です
3人に1人は患っていると言われている日本は、世界的に見ても痔の患者が非常に多い国です。
痔は大きく分けて痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻の3種類がありますが、いずれのものも日頃の生活習慣が密接に関わっています。
今回はどのような習慣が痔をもたらしているか、どういった状態の肛門は痔になりやすいかについて紹介します。
痔は生活習慣と結びついている
食生活が乱れていると痔のリスクが高くなります。
たとえば野菜をあまり摂っておらず、肉ばかり食べている方は痔になりやすいです。
野菜が不足すると腸内環境を整える食物繊維も足りなくなり、結果として便が硬くなります。
硬くなった便は便秘を誘発するだけでなく、排出時に肛門を傷付け、そこから裂肛が起こってしまうことが少なくありません。
またお酒が好きで日頃から飲んでいる方、朝食を摂らないことが多い方も痔になりやすいです。
トイレへ行く頻度も痔の発生と密接に関係しています。
外出時にトイレへ行くことを面倒くさがり、ついつい我慢してしまう方は痔になりやすいです。
また腸内の便をすべて出してしまおうと強くいきむ方も注意が必要です。
長時間いきんでいると肛門がうっ血し、肛門の状態が悪化します。
長時間籠もって便を出し切るのではなく、トイレに入ったら長くても3分で出るように心がけましょう。
女性の場合、妊娠が痔につながってしまうこともあります。
赤ちゃんの成長に合わせて大きくなった子宮が直腸や肛門を圧迫し、トイレで強くいきんでいるときと同じようにうっ血を起こしてしまうケースがあるからです。
そのため妊婦の方が患う痔のうち9割以上が痔核だと言われています。
どのような肛門が痔に近づいているか
ほかの病気にも共通して言えることですが、痔の治療は早期に取りかかるほど治りが早くなります。
では自分の肛門が痔へと向かっているかどうかはどのように判断すれば良いでしょうか。
前述のとおり痔には大きく3種類があり、それぞれで初期症状も異なります。
痔核の場合、排便時に出血していることが多いです。
もし出した便や排泄後の肛門に血が付着していたら痔核を疑うと良いでしょう。
また残便感、便を出した後も体の中に残っているような感覚がある方は痔核を患っている可能性が高いです。
そのほかにも、手で肛門を触るといぼのようなものがある場合も痔核が考えられます。
便を出し、肛門を拭いたときにトイレットペーパーへ血が付いたら裂肛に注意しましょう。
排便時に肛門が切れること自体は誰にもあることですが、稀に傷が悪化して手術が必要になります。
また裂肛した肛門は狭くなるため、それに合わせて便も細くなってしまうのです。
前よりも便が細くなった方は裂肛を疑うと良いでしょう。
痔瘻とは肛門周辺に穴ができ、直腸とつながってしまったタイプの痔です。
多くの場合、下痢によって肛門の組織に細菌が入り込み、そこが化膿して肛門周囲膿瘍を発症、さらにそれが進行しトンネルができると痔瘻になります。
そのためよくお腹を下している方は気を付けましょう。