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手術に関するQ&A
Q.術後のお尻はどのように洗浄すれば良いでしょうか
A.手術創が便で汚れていると痛みが増すだけでなく、傷跡が残ってしまうこともあります。
そのため手術から2週間の間は温水便座やシャワー、またはお風呂などで1日10回以上洗浄してください。
大便だけでなく、小便の排出時も温水洗浄を行うと効果的です。
ただしボディーソープや石鹸などを使用すると傷に炎症が起こることもあるので、それらの使用は避けてください。
Q.入浴しても大丈夫でしょうか
A.麻酔や点滴を行った手術当日はシャワーのみで済ませると良いでしょう。
その翌日からはお風呂へ積極的に、いつもより長めに入ることをオススメします。
体の垢が落ちるだけでなくお尻も温まり、末梢循環が促され手術創の治りが早くなります。
Q.トイレ・シャワー・お風呂がない環境での排便はどのようにしたら良いでしょうか
A.携帯用のウォシュレットを使うか、ノンアルコールタイプのウェットティッシュで抑えるようにして拭きましょう。
製品にもよりますが、一般に携帯用ウォシュレットは数千円から1万円未満で購入できます。
トイレットペーパーしかない場合はまずペーパーを濡らし、患部を数回拭いてから最後に乾いたペーパーで拭けば大丈夫です。
この際、決して強く拭かないようにしてください。
手術創は非常に繊細なので、場合によっては傷口が開いてしまいます。
Q.翌日から仕事はできるでしょうか
A.傷の状態や疼痛、または排便の状況をチェックするために手術の翌日に受診していただくものの、その時間以外は勤務可能です。
ただし疾患の重症度によっては、術後の疼痛が強いこともあるので、そういった場合は2、3日休まれることをオススメします。
また仕事中に1時間以上立ちっぱなしや座りっぱなしになることは避けてください。
Q.手術後に出血や痛みはあるでしょうか
A.手術から1~2週間ほどは傷から排液や薄い出血があります。
衣服が汚れないようガーゼやナプキンなどで保護しますが、排液自体は必要なものなので心配ありません。
手術当日こそ麻酔の効果が切れるとズキズキとした痛みがありますが、痛み止めでコントロールが可能です。
また痛みは日が経つごとに薄れていきます。
排便時に手術創が染みることもありますが、排便してすぐに洗浄すれば軽減が可能です。
Q.手術からどれくらい経ったらスポーツして良いでしょうか
A.手術から1週間経過したらスポーツをされても構いません。
しかし傷はまだ完全には癒えておらず、場合によってはスポーツが原因で傷口が開いてしまうこともあるため、激しい運動は1ヶ月ほど待ったほうが良いでしょう。
Q.食事は普段どおりに摂っても良いでしょうか
A.食事に特別な制限は設けていないので、排便コントロールさえきちんと行っていれば普段どおりに摂られて構いません。
しかし、刺激物はなるべく避けましょう。
辛いものを食べると排便時に痛みが生じることがあります。
Q.術後はどれくらいの頻度で通院すれば良いのでしょうか?
A.手術して1、2日は排便状況や傷の具合を確かめるべく通院が必要ですが、排便がしっかりと行われており、さらに傷の状態が落ち着いていれば、そこから間隔を空けていくことが可能です。
手術の翌週は週2回、翌々週は週1回、それ以降は2週間に1回ほどのペースに減らせます。
個人差はありますが、およそ術後3ヶ月で通院は終了です。
Q.いつ頃まで痛みは続きますか?
A.排便時の痛みは手術後1週間ほど続き、術後3、4日がピークです。
以降は日が経つにつれて楽になるのでご安心ください。
なお傷口が開いて痛みが長引いてしまわないよう、排便の際はウォシュレットやシャワーなどを使ってお尻をきれいにしてください。
Q.いつ頃まで出血は続きますか?
A.ポタポタとした出血は術後数日間、長い方だと10日前後続きます。
また紙やガーゼへの付着程度の出血は2週間を過ぎた後もあります。
さらに手術から7日~10日後に多く出血することもあり、そのような方は止血処理が必要です。
とはいえその域にまで達してしまう方は、全体の1%以下です。
Q.いつ頃まで膿のようなものは出てきますか?
A.術後に出てくるものは多くの場合、膿ではなく手術創からの浸出液です。
浸出液は術後3週間ほどしたら出なくなります。
Q.肛門部にかゆみがあります。
A.患部が治っていく過程でかゆみが発生することがあります。
また使用している軟膏や各種薬品が原因である可能性もあるので、気になる方はかかりつけの医師へご相談ください。
Q.術後に熱が出ることはありますか?
A.痔核の手術にジオン注射(ALTA療法)を使用した場合、38度の熱が術後2週間以内に出ることがあります。
しかし一過性のものなので過度の心配は必要ありません。
長引いても3日ほどで熱は下がります。
Q.麻酔の合併症はありますか?
A.合併症の有無は麻酔の種類によって異なります。
局所麻酔の場合はアレルギー反応以外ほとんど合併症がありません。
一方で腰痛麻酔を使用した場合、術後2、3日後に頭痛が起こることが稀にあります。
この頭痛は脱水で悪化するので、こまめな水分補給で対応してください。
また頭痛は立っていると悪化するので、横になると良いでしょう。
術後すぐに動き出すと頭痛が起こりやすくなります。
Q.温水洗浄機は使用しても良いでしょうか?
A.温水洗浄機を使用する際は水圧を少し弱めに設定してください。
また手術から1週間の間は紙で拭くことは極力避け、布で便や水を拭き取るようにしてください。
もし紙しか手元にない場合はやさしく、ゴシゴシと強くこすらないよう注意が必要です。
お尻拭きを使用しても構いませんが、アルコールを含まないものを選びましょう。
Q.入浴は可能でしょうか?
A.入浴は推奨されています。
肛門がきれいになるだけでなく血液の循環も促されるので積極的に入りましょう。
シャワーで済ませるのではなく、しっかりと湯船に浸かるほうが効果的です。
染みるようでなければ入浴剤も使用して構いません。
ただし、石鹸で肛門を直接洗うことは避け、お湯で洗い流すのみで留めてください。
Q.自転車にはいつ頃から乗れますか?
A.術後2週間が目安ですが、痛みを感じないならばそれよりも早くに乗っても構いません。
Q.運動はいつ頃から始めても良いでしょうか?
A.軽い運動なら術後2週間ごろから始めても構いません。
しかし痛みを強く感じる間は控えたほうが無難です。
なおゴルフは、手術してから3週間は待ったほうが良いでしょう。
Q.家事や仕事への復帰はいつ頃になるでしょうか?
A.通常の仕事なら術後5日から7日後には復帰できます。
しかし長時間の運転や力仕事は、10日から14日は控えたほうが良いでしょう。
また復帰する際も、座りっぱなしや立ちっぱなしにならないようご注意ください。
Q.食事に関して気を付けるべきことはありますか?
A.食事に関する制限はとくにはありません。
しかしカレーやトムヤムクンなどの刺激が強い料理、または胡椒やからしなどの多用は排便時に肛門へ強い痛みをもたらす可能性があるので、なるべくなら避けましょう。
Q.いつ頃からコーヒーやアルコールは飲んでも良いでしょうか?
A.コーヒーに関しては制限がないので、術後まもなくに飲んでも大丈夫です。
また手術から2週間ほど経過すれば、アルコールも少しずつ飲んで構いません。
しかし飲んだときに出血したり、患部の痛みが強くなったりした場合は控えましょう。
Q.手術日に生理が来そうなのですが大丈夫でしょうか?
A.手術をする際にはうつ伏せで行うので、生理でも問題ありません。
ただしタンポンに限り手術中は抜いてください。
術後は再度入れても構いません。