男性とセックスをする男性におけるうつ病と無防備な性行動との曲線的関係(原題:Curvilinear Relationship Between Depression and Unprotected Sexual Behaviors among Men Who Have Sex with Men)
The Journal of Sexual Medicine, Volume 11, Issue 10, October 2014, ページ 2466-2473,https://doi.org/10.1111/jsm.12638
発行2014年10月01日号
Contents
はじめに
抑うつ症状とリスキーな性行動との関係については、文献の中で論争が続いている。
目的
本研究の目的は、男性と性交渉を持つ男性(MSM)におけるうつ病と性行動の関係を、異なる分析仮定を用いて再検討することである。
方法
台湾のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのコミュニティセンターで、横断調査に参加するMSMを602名募集した。抑うつ症状とロジット変換した無防備肛門性交(UAI)および無防備オーラルセックス(UOS)との間の非線形性を検出するために、抑うつ症状の二乗という追加変数を用いた。多変量ロジスティック回帰を適用し、3変数の関係をさらに推定した。
主要評価項目
抑うつ症状はBeck Depression Inventory(BDI)、UAI、UOSで測定した。
結果
抑うつ症状は、無防備なアナルセックスおよびオーラルセックスと非線形の関係を示した。MSMの線形BDI得点はロジスティックモデルでは無防備な性行為と関連しなかったが、線形(UAI、オッズ比[OR]=1.087、P<0.01;UOS、OR=1.099、P<0.01)および二次BDI得点(UAI、OR=0.998、P<0.01;UOS、OR=0.997、P<0.01)の両方を含むモデルでは、その得点は無防備な性行為と有意に関連した。BDIスコアと無防備な性行為の確率の関係は、直線ではなく逆U字型の曲線であった。
結論
今回の結果から、抑うつ症状は無防備な性行動と有意な曲線的関係を有することが示唆された。中等度のうつ病を有するMSMは、うつ病スコアが有意に高い、あるいは低い同世代のMSMと比較して、無防備な性行動をとるリスクが高い可能性がある。