ヒトパピローマウイルスワクチン接種は、男性と性交渉を持つ男性における危険な性行動とは関連しない (原題:Vaccinating Against Human Papillomavirus is Not Associated with Risky Sexual Behaviours Among Men Who Have Sex with Men)
エリック・チョウ、マーカス・チェン、カトリオナ・ブラッドショー、クリストファー・フェアリー
The Journal of Sexual Medicine, 14巻, Issue Supplement_4b, 2017年5月, ページ e247, https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2017.04.227
Contents
序論と目的
最近の系統的レビューでは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種が女性のリスク行動につながることはないと結論付けられているが、男性と性交渉を持つ男性(MSM)におけるこの関連を検討した研究はない。我々は、男性と性交渉を持つ男性における性行動とHPVワクチン接種状況との関連を検討することを目的とした。
母集団サンプル
オーストラリアのMelbourne Sexual Health Centre(MSM)に通う16~40歳の男性と性交渉を持つ男性。
方法
2016年に初診でMSHCを受診したMSMを分析した。カイ二乗検定を用い、ワクチン接種MSMとワクチン未接種MSMの性行動(過去3ヵ月および12ヵ月の男性パートナー数、コンドーム使用など)の差異を検討した。
調査結果
合計1332人のMSMが解析対象となり、年齢中央値は27歳(IQR 23-31)であった。性パーセント(n=81)のMSMがHPVワクチン接種を受けていた。過去3ヵ月および12ヵ月の男性パートナー数の中央値は、それぞれ2人(IQR 1-5)および5人(IQR 2-10)であった。過去3ヵ月および12ヵ月に常にコンドームを使用した男性の割合は、それぞれ39.2%(n=797)および36.5%(n=774)であった。過去3ヵ月および12ヵ月のパートナー数および常時のコンドーム使用については、ワクチン接種者とワクチン未接種のMSMの間に有意差はなかった(p>0.05)。