イレアルパウチ肛門吻合による修復的肛門切除術後の女性における性器および主観的性的反応-前向き臨床試験 (原題:Genital and Subjective Sexual Response in Women After Restorative Proctocolectomy with Ileal Pouch Anal Anastomosis—A Prospective Clinical Trial)
マライカ・S. マライカ・S・ヴルグ(MSc)、エレン・T・ラアン(PhD)、リック・H・W・ヴァン・ルンセン(MD)、ポール・J・ヴァン・コペレン(MD)、セバスティアン・W・ポルレ(MD)、ウィレム・A・ベメルマン(MD)、PhD
The Journal of Sexual Medicine, 第7巻, 第7号, 2010年7月, 2509-2520ページ, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2010.01833.x
発行:2010年7月1日
Contents
はじめに
イレオパウチ肛門吻合術(IPAA)後の性機能障害は一般的である。性的刺激に対する最も系統的な身体反応は、腟血管収縮の増大である。生殖器の反応は、腟光電脈波を用いた腟脈拍振幅(VPA)によって評価することができる。
目的
IPAAを伴う修復的肛門直腸切除術が、自律神経骨盤神経の損傷および女性における性機能の主観的指標の変化と関連するかどうかを評価すること。
方法
2004年4月から2006年1月の間にIPAAを受けた女性患者を対象とした。性的刺激(視覚および触覚振動)時の腟血管収縮の変化を腟光電脈波検査で測定した。同時に、有効な質問票を用いてQOL(SF-36)と性機能(FSFI、FSDS)を評価した。
主要評価項目
主要評価項目は術前術後のVPAの差とした。副次的評価項目は、術前術後の性的興奮感および推定潤滑感の差、術前術後の心理的および性的機能の差とした。
結果
11人の患者が組み入れられた。8人の患者(年齢中央値37[22-49歳])について、術前および術後のデータが収集された。VPA分析により、術後の性的刺激時の腟血管収縮の有意な減少が示された(P = 0.012)。実験中の主観的性的興奮および推定潤滑度、報告された心理的および性的機能には術前術後で差はなかった。
結論
この小規模な研究では、IPAA後の腟血管収縮は有意に減少した;女性におけるIPAAは、おそらく自律神経骨盤神経の損傷または腟の部分的な血管減少と関連している可能性があることを示している。主観的に報告された性的興奮、推定潤滑感、心理的および性的機能は低下していなかった。今後の研究では、このような患者における完全な直腸郭清の利点に焦点を当てるべきである。