よく聞く痔核ってどんなもの?

投稿日:2020年10月23日 更新日:

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痔核ってどんなもの?

痔核(いぼ痔)とは

痔は痔核・痔瘻・裂肛の3種類がありますが、その中で痔核が最も患う確率が高く、男女ともに患者全体の50%以上を占めています。
痔核はいぼ痔とも呼ばれ、その名のとおり肛門がいぼ状に腫れるのが特徴です。

痔核の原因

痔核は肛門に強い負荷がかかり、うっ血して発生します。
負荷の原因として、排便時の強いいきみや長時間の座りっぱなしなどが多いです。
また女性の場合は、妊娠して子宮が大きくなり、それが肛門を圧迫して痔核となってしまうケースもあります。

痔核の症状

痔核は発生する場所によって内痔核と外痔核に分類されます。
歯状線より奥、粘膜にできた内痔核は痛みこそ感じないものの、排便時に出血してしまいます。
また悪化すると肛門から飛び出てしまい、指で押さないと戻らなくなります。
一方で外痔核は、歯状線より外側にでき、出血は少ないですが痛みは非常に強いです。

痔核の分類

内痔核は程度別にⅠ度からⅣ度までの4段階に分類されます。
Ⅰ度の内痔核は脱出しておらず、出血ではじめて気づくケースが多いです。
内痔核は排便時に脱出するものの自然に戻るならⅡ度、指で押し込めば戻るのがⅢ度です。
常時飛び出しており、また粘液で下着を汚してしまうほど悪化した状態だとⅣ度に認定されます。

なおこの4段階とは別に、特別痛みが強いものとして血栓性外痔核と嵌頓痔核もあります。
血栓性外痔核は肛門の周辺に血の塊、血栓ができているもので、皮膚が破れて出血することもあります。
血栓性外痔核は肛門の内側や縁にできますが、それが外側まで脱出し、また血栓の数も多くなったものが嵌頓痔核です。

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