米国黒人・ヒスパニック系男女の性の健康: 全米を代表する調査(原題:Sexual Health Among U.S. Black and Hispanic Men and Women: A Nationally Representative Study)
The Journal of Sexual Medicine, 第7巻, Issue Supplement_5, 2010年10月, ページ 330-345,https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2010.02019.x
発行日2010年10月01日
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/7/Supplement_5/330/6980009?redirectedFrom=fulltext
Contents
はじめに
米国における黒人およびヒスパニック系住民の性行動の有病率については、「高リスク」サンプルにおける性的リスクと疾病伝播の文脈以外ではほとんど知られていない。
目的
本研究では、米国の黒人およびヒスパニック系成人男女の確率サンプルを用いて、性行動、性医療行為(すなわち、性感染症[STI]の検査・診断の経験)、およびコンドームの使用率の現状を明らかにすることを目的とした。
主要アウトカム評価項目
一人でのマスターベーション、パートナーとのマスターベーション、オーラルセックスを受けたり与えたりすること、腟性交、肛門性交を含む性行動を評価した。自己申告によるHIVおよびその他のSTI検査率、自己申告によるSTI診断歴を調査した。また、直近および過去10回の腟性交におけるコンドーム使用率も評価した。
調査方法
黒人とヒスパニックの成人1246人の確率標本からのデータを分析し、性行動、コンドーム使用、STI検査・診断の傾向を調査した。
結果
マスターベーション、オーラルセックス、腟性交は、ライフコースを通じて黒人およびヒスパニック系男女に広くみられた。肛門性交と同性間の性行為はあまり一般的ではなかった。自己申告によるHIV検査率は比較的高かったが、年齢層によって男女差があった。同様に、他のSTIの検査率も高く、年齢層によって男女差があった。黒人およびヒスパニック系男女のコンドーム使用率は全体的に比較的高く、性交渉の場所、交際状況、他の避妊具の使用、性行為中の物質使用など、さまざまな状況的要因とは関連がないように思われた。
結論
これらのデータは、米国の黒人およびヒスパニック系男女の一般集団における多様な性行動、性保健ケアの実践、およびコンドームの使用を理解するための基礎を提供するものである。