受容的アナルセックス後の便失禁のリスク:男性と性行為を行う男性21,762人を対象とした調査(原題:Risk of Fecal Incontinence Following Receptive Anal Intercourse: Survey of 21,762 Men Who Have Sex with Men)
The Journal of Sexual Medicine, Volume 18, Issue 11, November 2021, Pages 1880–1890,
公開日:2021年10月10日https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/18/11/1880/6955979?redirectedFrom=fulltext
Contents
背景
受動的肛門性交(RAI)の有病率は増加している。異質なデザインの少数の研究が、便失禁(FI)の関連リスクを調査している。
目的
本研究の主要目的は、RAIを行う男性と性行為を行う男性(MSM)の集団におけるFIの有病率を決定することであった。副次目的は、重度のFIのリスク因子を特定することであった。
方法 結果
2019年に24,308人のMSMを対象としたオンライン調査を実施した。人口統計学的および社会経済学的データ、ならびにRAIの性行動に関する情報を収集し、以下のように定義された便失禁について調査した。「過去1か月間、便が意に反して漏れたことはありましたか?
結果 臨床的意義
合計21,762人の参加者のうち、1,734人(8%)がFIを報告した。平均年齢は35.3歳であった。FIの有病率はRAIの頻度と相関していた:RAIが週1回以上の場合12.7% 対 RAIなしの場合5.7%。多変量解析では、FIと関連する因子として、年齢(OR:1.01)、低所得(OR 1.32~1.40)、HIV抗体陽性(OR:1.78)、RAI頻度が高い(OR:1.64)、ケミカルセックス(OR:1.67)、フィストファッキング(OR:1.61)が挙げられた。
長所と限界
本研究の主な長所は、対象者の規模と性的行動の詳細な様態の評価である。主な限界は、便宜的な非無作為サンプルを使用していることと、FIの評価を過去1か月間のみとしていることである。
結論
この大規模なMSM集団を対象とした研究では、RAI行動(RAI週1回以上、ケムセックス、フィストファッキング)におけるFIのリスク要因として、低所得層および低社会経済的地位が浮き彫りになった。