"私をどん底に落とすには男が必要": ゲイ男性の男らしさとセックスの経験(原題:“It Takes a Man to Put Me on the Bottom”: Gay Men’s Experiences of Masculinity and Sex)
The Journal of Sexual Medicine, 14巻, Issue Supplement_4b, 2017年5月, ページe289-e290,https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2017.04.393
掲載2017年05月01日
Contents
序論と目的
ゲイ男性の性的セルフラベルは、しばしば肛門性交における自分の好みのポジション(例えば、「トップ」、「ボトム」、「万能」)を表し、自分や他者の男らしさの認識と関連している可能性がある。したがって、男らしさに関する信念は、健康により大きなリスクを伴う性行動(例えば、肛門を受容すること)への関与と間接的に関連している可能性がある。本研究の目的は、ゲイ男性の男らしさに関する経験や信念が、彼らの男らしさアイデンティティや肛門性交における性行動にどのような影響を与えるかを検討することである。
母集団サンプル
英国在住の20~42歳のゲイ男性17名。
調査方法
解釈的現象学的分析(IPA)を用いて、個別の半構造化面接から得られたデータを分析した。
発見と考察
一部のゲイ男性は、正統的な男性性を特徴づけるものと並行して、ステレオタイプ的に女性的な属性や行動を「男であること」のレパートリーに組み込んでいた。どの年齢においても、ゲイ男性の男らしさに関する信念と経験は、他の男性の性的自己ラベルの認識や、肛門性交における好みの体位に関する自己呈示と関連していた。男らしさについての信念は、性的自己ラベルにかかわらず、肛門性交で採用する体位にも影響を与えた。したがって、あるゲイ男性にとって性的自己ラベルは安定しており、通常採用する体位を反映するものであったが、他のゲイ男性はより流動的であり、性的体位は性的パートナーの(相対的な)男らしさの認識、性的パートナーとの親密さの経験レベル、その他の個人的要因などの文脈的要因に依存していた。