男性と性交渉を持つ男性の勃起不全と早漏 (原題:Erectile Dysfunction and Premature Ejaculation in Men Who Have Sex with Men)
アラン・W・シンデル医学博士、エリック・ヴィッティングホフ医学博士、ベンジャミン・N・ブレイヤー医学博士、MAS医学博士
The Journal of Sexual Medicine, 第9巻, 第2号, 2012年2月, 576-584ページ, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2011.02585.x
発行:2012年2月1日
Contents
はじめに
男性と性交渉を持つ男性(MSM)における性機能および性機能障害に関する定量的研究は、この集団におけるセクシュアリティを評価するための有効かつ定量的な尺度が不足していることもあり、ほとんど行われていない。
目的
MSMにおける勃起障害と早漏の有病率と関連性を評価すること。
方法
MSMを対象に性機能に関するオンライン調査を実施した。民族人口統計学的因子、セクシュアリティ因子、健康関連因子を評価した。
主要評価項目
参加者は、国際勃起機能指標(IIEF-SMM)をMSM用に修正したものと早漏診断ツール(PEDT)を記入した。IIEF-EFの勃起機能(EF)領域の合計スコア(IIEF-MSM-EF)を用いて、勃起不全(ED)の重症度を層別化した(25~30=EDなし、16~24=軽度または中等度のED、11~15=中等度のED、≦10=重度のED)。早漏(PE、PEDTスコア≧9と診断)のリスク層別化にはPEDTスコアを用いた。
結果
2,640人の男性コホートの80%近くが北米に居住していた。EDの有病率は高齢男性で高かったが、PEの有病率は年齢層で比較的一定であった。多変量ロジスティック回帰の結果、年齢の上昇、HIV血清陽性、勃起促進療法の使用歴、下部尿路症状(LUTS)、安定した性的パートナーの欠如が、EDのオッズの上昇と関連していることが明らかになった。別の多変量解析では、低年齢、LUTS、生涯性的パートナー数の少なさが、PEオッズの高さと関連していた。
結論
MSMにおける性的問題の危険因子は、非MSM男性を対象とした定量的研究で観察されたものと類似している。泌尿器症状はMSMにおけるより低い性機能と関連している。