MSMにおける割礼のHIV防御効果に対するアナルセックスの役割の影響 (原題:Impact of Anal Sex Role on the HIV Protective Effect of Circumcision in MSM)
H. 銭、Y.ルアン、Y.リュー、H.シュピーゲル、L.イン、D.リー、B.シェパード、Y.シャオ、S.ヴァームンド、D.ミラム
The Journal of Sexual Medicine, 13巻, Issue Supplement_1, May 2016, Page S25, https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2016.02.054
発行:2016年5月1日
目的
自発的な医療的男性割礼は男性のHIV異性間感染のリスクを減少させるが、男性から男性への性感染における性的体位の影響は不明である。本研究では、男性と性交渉を持つ男性(MSM)集団におけるHIV有病率を、対象者が主に挿入性、受容性、または汎用性のある肛門性交を行ったかどうかで層別化して検討した。
材料と方法
中国の北京で1155人のMSMボランティアを募集した。登録時の参加者のうち、既知の血清陽性者は242人、HIV感染状態不明の者は913人であった。参加者全員の血清ステータスが確認された。割礼の有無は性器検査と自己申告で評価し、肛門性役割については質問紙面接で評価した。
結果
挿入的アナルセックスを主に行うMSMにおいて、割礼を受けている男性は、割礼を受けていない男性に比べてHIV感染のオッズが62%低かった(aOR、0.38、95%CI、0.09-1.64)。肛門性交の体位が主に受容性または万能性であった男性において、割礼を受けている男性は、割礼を受けていない男性に比べてHIV感染のオッズが46%低かった(aOR、0.54、95%CI、0.25-1.14)。割礼を受けていない男性で、肛門性交の体位が万能性または主に受容性であると報告した人と比較して、割礼を受けていて挿入性交を実践していると報告した人のリスクは85%低かった(aOR、0.15;95%CI、0.04-0.65)