TAGS:
CATEGORY:

うんこ(排便)の医学的解説

投稿日:

うんこ(排便)の医学的解説

この記事では、日本人のために、排便に関する医学的な知識を網羅的に解説します。
うんこの成分や色、形、回数、量など、基本的な情報から、世界のうんこ事情、腸内環境との関係、排便のメカニズム、便失禁、最新の治療法まで、幅広く深く掘り下げていきます。
「排便」に関する疑問を解消し、健康的な毎日を送るためのヒントが満載です。ぜひ最後までお読みください。

Contents

うんこの成分

うんこは、体にとって不要なものを体外に排出するためのものです。その成分は、水分、食べ物のカス、腸内細菌、腸粘膜などが含まれています。

  • 水分: うんこの約70%は水分です。 水分が少ないと便が硬くなり、便秘になりやすくなります。水分は、便を柔らかくし、排便をスムーズにするために重要です。
  • 食べ物のカス: 消化されなかった食物繊維や、腸内で分解されたタンパク質などが含まれます。食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える役割を担っています。
  • 腸内細菌: 腸内に生息する細菌は、うんこの約30%を占めています。腸内細菌は、ビタミンの合成や免疫力の向上など、様々な役割を担っています。
  • 腸粘膜: 腸の粘膜が剥がれ落ちたものも含まれています。腸粘膜は、常に新しい細胞に生まれ変わっており、剥がれ落ちた古い細胞は便として排出されます。

うんこに存在する菌

腸内には、数百種類、数百兆個もの細菌が生息しています。これらの細菌は、大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。

  • 善玉菌: ビフィズス菌や乳酸菌など、健康に良い影響を与える菌です。善玉菌は、腸内環境を整え、消化吸収を助け、免疫力を高めるなどの働きがあります。
  • 悪玉菌: ウェルシュ菌や大腸菌など、体に悪影響を与える菌です。悪玉菌は、腸内で有害物質を産生し、便秘や下痢などの原因となります。
  • 日和見菌: バクテロイデスなど、善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢な方に味方する菌です。日和見菌は、通常は悪影響を与えませんが、悪玉菌が優勢になると、悪玉菌の味方をして、体に悪影響を与えることがあります。

うんこの色

健康な人のうんこは、黄土色〜茶褐色です。これは、胆汁に含まれるビリルビンという色素が、腸内細菌によって分解されて変化したものです。

  • 黒っぽい便: 胃や十二指腸からの出血がある可能性があります。鉄剤を服用している場合にも、黒っぽい便が出ることがあります。
  • 白い便: 胆道が閉塞している可能性があります。胆汁が腸に流れ込まないと、便が白っぽくなります。
  • 赤い便: 下部消化管からの出血がある可能性があります。痔や大腸がんなどが原因で、出血することがあります。

うんこの形

健康な人のうんこは、バナナのような形をしています。

  • 硬い便: 便秘気味です。水分を多く摂り、食物繊維を摂取しましょう。運動不足も便秘の原因となりますので、適度な運動を心がけましょう。
  • やわらかい便: 下痢気味です。水分をこまめに摂り、消化の良いものを食べましょう。ストレスや冷えも下痢の原因となりますので、注意が必要です。
  • 細い便: 大腸が狭くなっている可能性があります。大腸ポリープや大腸がんなどが原因で、大腸が狭くなることがあります。

うんこの回数と量

健康な人の排便回数は、1日1〜2回程度と言われることがありますが、毎日排便がなくても必ずしも便秘ではありません。 1週間で3回以上排便があれば、便秘とは診断されません。 1回の排便量は、約150〜200gです。

  • 排便回数が多い: 下痢や過敏性腸症候群の可能性があります。
  • 排便回数が少ない: 便秘の可能性があります。
  • 便の量が少ない: 食事が少ない、または消化吸収が悪い可能性があります。

うんこの役割

うんこは、体にとって不要なものを排出するだけでなく、健康維持にも重要な役割を果たしています。

  • 腸内環境の維持: 腸内細菌のバランスを整え、腸内環境を健康に保ちます。腸内環境が整うことで、消化吸収が促進され、免疫力が高まります。
  • 免疫力の向上: 腸内細菌は、免疫細胞の働きを活性化させ、免疫力を高めます。 免疫力が高まることで、感染症やアレルギー疾患などを予防することができます。
  • ビタミンの合成: 腸内細菌は、ビタミンB群やビタミンKなどを合成します。ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能の維持に、ビタミンKは、血液凝固に重要な役割を担っています。
  • 有害物質の排出: 腸内細菌は、有害物質を分解し、体外に排出します。有害物質が体内に蓄積すると、様々な病気の原因となります。

世界のうんこ事情 - 人種による違いはある?

世界のトイレ事情は、国や地域によって大きく異なります。発展途上国では、トイレの普及率が低く、屋外排泄が一般的です。 屋外排泄は、感染症のリスクを高めるだけでなく、女性の安全や尊厳を脅かす問題でもあります。 例えば、ユニセフの報告では、アフリカの女の子の10人に1人は、トイレがないという理由から生理中は学校を休まなければならず、教育にも影響を及ぼしているという調査結果があります。

一方、先進国では、トイレの普及率は高いものの、食生活の変化などにより、便秘や過敏性腸症候群などの排便トラブルが増加しています。

人種によるうんこの違いは、主に食生活の違いに起因すると考えられています。例えば、肉食中心の食生活の人は、便が硬く、臭いが強くなる傾向があります。一方、野菜中心の食生活の人は、便が柔らかく、臭いが弱くなる傾向があります。

世界の衛生問題への取り組み

世界では、トイレの不足や不衛生な環境による健康被害を改善するために、様々な取り組みが行われています。国連は、2013年に毎年11月19日を「世界トイレの日」(World Toilet Day)と定め、トイレ問題への意識向上を促しています。 また、持続可能な開発目標(SDGs)の目標6では、「すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす」ことを目標に掲げています。 これらの取り組みによって、安全な水と衛生施設へのアクセスが改善され、下痢などの病気による死亡率が減少しています。

衛生問題による経済的損失

不衛生な環境は、健康被害だけでなく、経済的な損失も招きます。 例えば、劣悪な衛生環境に起因する病気や生産性の低下による経済損失は、年間数千億円に上ると言われています。 また、トイレがないために、女性や子どもたちが水汲みに多くの時間を費やす必要があり、教育や経済活動の機会が制限されることもあります。

排泄物の活用

排泄物は、適切に処理することで、資源として活用することができます。 例えば、排泄物を堆肥化することで、土壌を肥沃にし、農業生産性を向上させることができます。また、排泄物からバイオガスを生成することで、エネルギー源として活用することもできます。

日本の社会と企業における排泄物の活用

日本では、家畜の排泄物を堆肥化し、肥料として利用することが古くから行われてきました。近年では、環境問題への関心の高まりから、排泄物をバイオガスやバイオ燃料として利用する取り組みも進められています。

  • 堆肥化: 家畜の排泄物を堆肥化することで、土壌改良剤として利用することができます。堆肥は、化学肥料に比べて環境負荷が低く、持続可能な農業に貢献することができます。
  • バイオガス: 家畜の排泄物を嫌気性発酵させることで、バイオガスを生成することができます。バイオガスは、メタンを主成分とする可燃性ガスであり、発電や熱利用に利用することができます。
  • バイオ燃料: 家畜の排泄物から油脂を抽出し、バイオディーゼル燃料を製造する技術が開発されています。バイオディーゼル燃料は、軽油の代替燃料として利用することができます。

これらの取り組みは、環境負荷の低減、資源の有効活用、地域経済の活性化などに貢献することが期待されています。

世界と世界企業における排泄物の活用

世界では、排泄物を資源として活用する取り組みが、様々な形で行われています。

  • 飲料水: ビル・ゲイツ財団が支援するオムニプロセッサーは、排泄物を処理して飲料水と電気を生成する装置です。 この技術は、水不足や衛生問題を抱える地域で、安全な水とエネルギーを供給する手段として期待されています。
  • 肥料: 屎尿分離トイレは、尿と便を分けて処理することで、尿を肥料として有効活用することができます。 尿には、窒素、リン、カリウムなどの植物の生育に必要な栄養素が豊富に含まれています。
  • バイオトイレ: 水を使わずに排泄物を処理するバイオトイレは、水資源の節約や衛生環境の改善に貢献することができます。 バイオトイレは、微生物の働きを利用して排泄物を分解し、堆肥化します。
  • エネルギー: 排泄物からバイオガスを生成し、発電や調理に利用する取り組みは、世界各地で行われています。 バイオガスは、再生可能エネルギーとして、地球温暖化対策にも貢献することができます。

脳と腸内環境とうんこについて - 腸は第二の脳

腸は、「第二の脳」とも呼ばれ、脳との密接な関係があります。 腸と脳は、自律神経、ホルモン、免疫系などを介して相互に影響を及ぼし合っています。

腸内環境が悪化すると、脳の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、腸内細菌のバランスが崩れると、セロトニンの分泌量が減少し、うつ病や不安症などの精神疾患のリスクが高まると考えられています。

逆に、脳がストレスを感じると、腸の運動が抑制され、便秘や下痢などの症状を引き起こすことがあります。

腸内環境を整えることは、脳の健康維持にも重要です。食物繊維や発酵食品を摂取し、腸内細菌のバランスを整えることで、脳の機能を正常に保ち、精神的な健康を維持することができます。

赤ちゃんのうんこ

赤ちゃんのうんこの色と形態と種類

赤ちゃんのうんこは、月齢や授乳方法によって、色や形、硬さが変化します。

  • 胎便: 生まれたばかりの赤ちゃんが最初に出すうんこは、胎便と呼ばれ、黒緑色で粘り気があります。 胎便は、羊水や腸粘膜などが混ざり合ってできています。
  • 母乳栄養児: 母乳で育っている赤ちゃんのうんこは、黄色〜黄緑色で、柔らかく、酸っぱい臭いがします。 母乳のうんこは、水分が多く、下痢状になることもあります。
  • 人工乳栄養児: ミルクで育っている赤ちゃんのうんこは、黄褐色〜茶褐色で、母乳のうんこよりも硬く、臭いも強くなります。
  • 離乳食期: 離乳食が始まると、うんこの色や形、硬さは、食べるものによって変化します。

赤ちゃんのうんこの様々な健康状態

赤ちゃんのうんこは、健康状態のバロメーターです。うんこの色や形、回数などがいつもと違う場合は、病気のサインかもしれません。

  • 赤い便: 血便の可能性があります。腸重積症や細菌性腸炎などが疑われます。
  • 黒い便: 消化管の上部からの出血の可能性があります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが疑われます。
  • 白い便: 胆道閉鎖症などの可能性があります。胆汁が腸に流れ込まないと、便が白っぽくなります。

高齢者のうんこ

高齢になると、腸の働きが衰え、便秘になりやすくなります。 また、加齢に伴い、肛門括約筋の筋力が低下し、便失禁のリスクも高まります。

高齢者の便秘は、生活の質を低下させるだけでなく、様々な病気のリスクを高める可能性があります。 高齢者の便秘を予防・改善するためには、食生活の改善、適度な運動、排便習慣の改善などが重要です。

うんこがこんな状態は病気の危険

  • 黒い便: 胃や十二指腸からの出血の可能性があります。
  • 赤い便: 大腸からの出血の可能性があります。
  • 白い便: 胆道閉塞の可能性があります。
  • 細い便: 大腸がんなどの可能性があります。

低用量ピルによってうんこは変わるか

低用量ピルは、女性ホルモンのバランスを調整することで、生理痛やPMS(月経前症候群)の症状を改善する薬です。低用量ピルは、便秘にも効果があると言われています。

低用量ピルに含まれる黄体ホルモンには、腸の運動を抑制する作用があります。しかし、低用量ピルを服用することで、ホルモンバランスが整い、便秘が改善されることがあります。

GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)とうんこの相関

GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)は、閉経後にエストロゲンが減少することで起こる、膣や外陰部の萎縮や乾燥などの症状です。GSMは、排尿障害や性交痛などを引き起こすことがありますが、便秘や便失禁などの排便障害にも影響を与える可能性があります。

エストロゲンは、腸の運動や排便反射をコントロールする神経伝達物質の分泌に関与しています。 閉経後にエストロゲンが減少すると、これらの神経伝達物質の分泌が減少し、腸の運動が低下したり、排便反射が鈍くなったりすることがあります。

便失禁とは?

便失禁とは、自分の意思に反してうんこが漏れてしまうことです。 便失禁は、年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうる症状です。原因は、加齢による肛門括約筋の衰え、出産、手術、神経障害、便通異常など、様々です。

便失禁は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的な苦痛も伴います。 便失禁になると、外出を控えたり、人との付き合いを避けたりするようになり、生活の質が低下することがあります。また、便失禁による臭いや汚れは、周囲の人に不快感を与える可能性があり、精神的なストレスを感じやすくなります。しかし、適切な治療を行うことで、症状を改善することができます。

便失禁の種類

便失禁は、症状によって、以下の3つのタイプに分類されます。

  • 漏出性便失禁: 便意がないのに、うんこが漏れてしまうタイプです。加齢による肛門括約筋の衰えや、直腸の感覚低下などが原因で起こります。
  • 切迫性便失禁: 突然強い便意を感じ、トイレに行くまでに我慢できずにうんこが漏れてしまうタイプです。過敏性腸症候群や肛門括約筋の機能低下などが原因で起こります。
  • 混合性便失禁: 漏出性便失禁と切迫性便失禁の両方の症状があるタイプです。

便失禁の原因

便失禁の原因は、様々ですが、主な原因は以下の通りです。

  • 加齢: 加齢に伴い、肛門括約筋や骨盤底筋群の筋力が低下し、便を保持する力が弱くなります。
  • 出産: 出産時に肛門括約筋が損傷することがあります。
  • 手術: 直腸がんや肛門周囲の手術により、肛門括約筋が損傷することがあります。
  • 神経障害: 脳卒中や脊髄損傷などにより、排便をコントロールする神経が損傷することがあります。
  • 便通異常: 便秘や下痢など、便通異常があると、便失禁が起こりやすくなります。
  • 糞便塞栓症: 高齢者や寝たきり状態の人は、直腸にうんこが詰まってしまい、便失禁が起こることがあります。 糞便塞栓症は、直腸に硬いうんこが詰まり、その周囲に液状の便が漏れ出す状態です。

便失禁のケア方法

便失禁のケア方法は、原因や症状の程度によって異なります。

  • 食生活の改善: 便の硬さを調整するために、食物繊維の摂取量を調整します。 便秘の場合は、食物繊維を多く含む食品を摂取し、下痢の場合は、消化の良い食品を摂取します。
  • 排便習慣の改善: 決まった時間にトイレに行く習慣をつけます。 毎日同じ時間にトイレに行くことで、排便のリズムを整えることができます。
  • 肛門括約筋のトレーニング: 肛門括約筋を鍛えることで、うんこを漏らさないようにします。 肛門括約筋のトレーニングは、肛門を締める運動や、骨盤底筋群を鍛える運動などがあります。
  • 薬物療法: 便の水分量を調整する薬や、腸の運動を調整する薬を使用します。 便秘の場合は、下剤を使用し、下痢の場合は、止瀉薬を使用します。
  • バイオフィードバック療法: モニターを見ながら、肛門括約筋の締め方や力の入れ方を訓練する治療法です。 バイオフィードバック療法は、自分の肛門括約筋の動きを意識することで、排便のコントロールを改善することができます。
  • 仙骨神経刺激療法: 仙骨神経に電気刺激を与えて、排便機能を改善します。 仙骨神経刺激療法は、重度の便失禁に有効な治療法です。
  • 両側後脛骨神経刺激療法: 足首にある後脛骨神経に電気刺激を与えて、排便機能を改善します。 両側後脛骨神経刺激療法は、仙骨神経刺激療法と同様に、重度の便失禁に有効な治療法です。
  • 手術: 肛門括約筋を修復する手術や、人工肛門を造設する手術などがあります。 手術は、他の治療法で効果がない場合に検討されます。

便失禁のケアに役立つ製品

便失禁のケアには、以下の製品が役立ちます。

  • 大人用おむつ: 便漏れを吸収し、清潔を保ちます。 大人用おむつは、便失禁の量や活動量に合わせて、様々な種類があります。
  • パット: 軽度の便漏れに対応します。パットは、下着に装着して使用します。
  • 肛門プラグ: 肛門を塞いで、便漏れを防ぎます。 肛門プラグは、シリコンやゴムなどでできており、肛門に挿入して使用します。
  • 洗浄剤: うんこをきれいに洗い流します。洗浄剤は、おしりふきや洗浄液などがあります。
  • 消臭剤: うんこの臭いを抑えます。消臭剤は、スプレーやクリームなどがあります。
  • anuCARE: 自宅で手軽に肛門ケアができる機器です。 EMSによる肛門のタイトニング、LEDライトによる肛門周りの血行ケア、マッサージ機能を搭載しており、便失禁や痔の悩みにアプローチすることができます。

まとめ

この記事では、排便に関する様々な情報を解説しました。排便は、健康維持に欠かせない重要な生理現象です。排便に関する知識を深め、健康的な毎日を送るために役立ててください。

便失禁は、決して恥ずべきことではありません。悩んでいる方は、一人で抱え込まずに、医療機関に相談しましょう。 便失禁は、適切な治療を行うことで、症状を改善することができます。

 

-便失禁
-

執筆者:

関連記事

no image

沖縄で便漏れ治療ができる評判の良い病院おすすめ3選

沖縄で便もれ治療ができる良い病院をお探しですか? 便失禁を引き起こす原因の中で、最も多いと考えられているのが肛門括約筋の衰えと言われておりますが、 女性の場合、分娩で出産した際、肛門括約筋や関連する神 …

肛門セックスと排便に関する医学的考察

アナルセックスとうんこに関する医学的考察

アナルセックスは、近年関心が高まっている性行為の一つですが、医学的な観点から見ると、直腸や肛門、そして排便に影響を与える可能性があります。この記事では、アナルセックスとうんこ(排便)の関係について、医 …