男性と性交渉を持つ男性におけるペイロニー病: 特徴、治療、および心理社会的要因(原題:Peyronie's Disease among Men Who Have Sex with Men: Characteristics, Treatment, and Psychosocial Factors)
The Journal of Sexual Medicine, Volume 10, Issue 8, August 2013, ページ 2077-2083,https://doi.org/10.1111/jsm.12202
発行日2013年08月01日
Contents
はじめに
男性と性交渉を持つ男性(MSM)におけるペイロニー病(PD)の特徴とそれに関連する心理社会的影響について述べる。
目的
本論文の目的は、ペイロニー病を有するMSMの特徴および治療を明らかにし、これらの所見を非MSMのペイロニー病患者と比較し、MSMにおけるペイロニー病の心理社会的影響を明らかにすることである。
主要評価項目
主観的および客観的特徴、MSMの心理社会的因子。
方法
後方視的カルテレビューにより、2000年から2012年にPDを発症した27人のMSMを同定した。同時期に受診した非MSMのPD患者200人を無作為に抽出した。MSMのPD患者に対して、心理社会的構成要素を評価するために、検証されていない前向き質問票を実施した。
結果
PDの活性化につながった外傷的な出来事は、MSMと非MSMの間で同等に同定された(P= 0.815)。MSMで最も多く認められたPDの活性化因子は、挿入性交(22.2%)、自己刺激(11.1%)であった。狭小化、へこみ、砂時計、蝶番などの陰茎変形を主訴とするMSMがより多かった(MSM11.1% vs 非MSM1.0%、P= 0.01)。全曲率、勃起グレードに差は認められなかった(P> 0.05)。PDは情緒的状態(MSM 89.0%、非MSM 80.5%、P> 0.05)および親密な関係(MSM 45.0%、非MSM 64.0%、P> 0.05)に負の影響を及ぼした。非外科的治療はMSM88.9%、非MSM76.5%(P>0.05)、矯正手術はMSM29.6%、非MSM25.0%(P>0.05)であった。肛門性交を行っているMSMの75.0%のうち、41.7%がPDの活性化因子として挿入性肛門性交を報告した。MSMのうち、31.3%が性欲減退を経験し、50.0%が性行為の頻度が減少し、92.9%が陰茎の外見に自意識を持ち、92.9%が陰茎の大きさに不満を抱いていた。
結論
MSMと非MSMのPD患者の間で、臨床症状および使用された治療法にはほとんど差がなかった。両群に精神的苦痛の証拠がみられた。その結果、PDを呈する患者には、心理的性交渉の評価と治療が、適応があれば不可欠であると考えられるべきである。