男性と性交渉を持つ男性におけるStreptococcus dysgalactiae ssp. Equisimilisによる肛門周囲レンサ球菌性皮膚炎 (原題:Perianal Streptococcal Dermatitis Due to Streptococcus dysgalactiae ssp. Equisimilis in a Man Who Has Sex with Men)
イスマエル・マートゥーク医学博士、ロイ・ムートラン医学博士
The Journal of Sexual Medicine, 10巻, 9号, 2013年9月, 2351-2352ページ, https://doi.org/10.1111/jsm.12243
発行:2013年9月1日
はじめに
肛門周囲レンサ球菌性皮膚炎(PSD)は、小児および女性性器(まれ)にみられ、一般にA群B溶血性レンサ球菌(GABHS)によって引き起こされる。
目的
本報告は、G群溶血性レンサ球菌に属するStreptococcus dysgalactiae ssp. Equisimilisが肛門周囲皮膚炎を引き起こす可能性を明らかにするものである。
症例
2012年9月、複数の男性セックスパートナーがいた23歳の男性が、10日間の有痛性肛門潰瘍の病歴で受診し、淡褐色の半透明の分泌物がみられた。初診時、2個の潰瘍(1cm×2cm;1cm×1cm)が膿性分泌物とともに認められ、小水疱などの病変はなかった(図1)。肛門周囲の皮膚は圧痛があり、リンパ管炎は認められなかった。性器検査は正常であった。生化学的および血液学的検査は正常であった。血清検査では、HIV、B型およびC型肝炎、梅毒は陰性であった。単純ヘルペスウイルス(HSV)IgG抗体は陽性、HSV IgM抗体は陰性であった。両潰瘍液のポリメラーゼ連鎖反応はHSV-1およびHSV-2陰性であった。滲出液の細菌培養とグラム染色を行った。B溶血性ランスフィールドG群連鎖球菌の重篤かつ純粋な増殖が分離された。後にS. dysgalactiae ssp. Equisimilisと同定された。この分離株はペニシリン、アモキシシリン-クラブラネート、アジスロマイシン、コトリモキサゾールに感受性を示し、シプロフロキサシンに耐性を示した。4週間後の真菌培養は陰性であった。