ゲルト・マーティン・ハルド博士、デレク・スモレンスキー博士、B.R.サイモン・ロッサー博士
The Journal of Sexual Medicine, 第10巻, 第3号, 2013年3月, 757-767ページ, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2012.02988.x
発行:2013年3月1日
Contents
はじめに
研究者たちは、Sexually Explicit Media(SEM)の消費は、Men Who Have Sex with Men(MSM)の性的態度や行動に悪影響を及ぼすだけでなく、MSMの発達や性教育に肯定的な役割を果たし、MSMの性的情報の主要な情報源となり、MSMの性的指向の検証、理解、確認を提供する可能性があると提唱してきた。しかし、このような主張は実証的な検証が急務であり、そのような検証を確実に支援できる、心理測定学的に健全で実施しやすい尺度の開発も必要である。
目的
SEMを摂取しているMSMが、SEMが性感染症に関連した性的リスク行動(すなわち、肛門性交)、性的知識、セックスの楽しみ、セックスへの関心、セックスに対する態度、性的指向の理解に与える影響をどのように自己認識しているかを調査すること。さらに、ポルノグラフィ消費影響尺度(Pornography Consumption Effects Scale:PCES)の縮小・再編集版の徹底的な心理測定学的検証を行う。
主要評価項目
HaldとMalamuthによるPCESの改訂版。
方法
米国成人男性1,333人を対象としたオンライン横断調査。
結果
本研究の結果、97%のMSMがSEMの摂取が性的知識、セックスの楽しみや興味、セックスに対する態度、性的指向の理解にプラスの効果をもたらしたと報告した。SEMの摂取によるマイナスの影響を報告したのはわずか3%であった。SEMの摂取は、消費者の保護された肛門性交への関心を有意に高める一方で、無防備な肛門性交への関心には有意な影響を与えないことが明らかになった。PCESの改訂版は、優れた心理測定学的性能を示した。
結論
本研究により、MSMは一般的に、性的知識、態度、行動、志向に関連する領域において、性的に露骨な資料の消費によるプラスの効果を報告していることが明らかになった。この知見は、SEMに基づく教育や介入がMSMの健康全般にかなりの可能性を持つことを示唆し、MSMの性的健康と幸福にとって重要な意味を持つ可能性がある。